マッキンゼーの7Sとは|事例と共にシンプルに知る

マッキンゼーの7Sとは|事例と共にシンプルに知る

「完璧な組織構造などありえない。せいぜいできることは、問題の少ない組織をつくる」そう語ったのはピーター・ドラッカー。経営管理をするうえで、生産や財務の把握以上に厄介な人の管理において、問題をどのようにして把握すれば良いのか。組織運営で要所を抑える仕組みの一つであるマッキンゼーの7Sを紹介します。

マッキンゼーの7Sとは

〇マッキンゼーの7Sをシンプルにまとめると?

【概要】

・1980年代に、経営コンサル会社マッキンゼーが提唱し世界中に広まった
・企業戦略実行のための組織面の要素を、7つにまとめ示したフレームワーク
・組織の適切な機能には、7つの要素の調整、相互補強が必要と説く

【活用例】

・組織内部の状況変化を評価・監視するための組織分析
・組織の現状と戦略とのギャップを診断し、課題設定→問題改善へ
・導入企業例としては、アップル・スターバックス・トヨタ自動車など

〇理論・用語をシンプルに教えて

マッキンゼーの7S

【基本要素】

・戦略:ビジネスの目的と組織が競争上の優位性を高めるための方法
・組織:活動の区分。統合および調整メカニズム
    ※組織よりも構造的意味合い
・システム:人事制度・情報伝達方法・社内ルールなどの組織の仕組み
・価値観:組織が共有する価値観。阿吽の呼吸で分かり合えること
・組織としての能力:組織的に再現可能な能力
・人材:組織の人的資源。人員数の側面と個々人の能力の側面
・経営スタイル:マネージャーなど主要人物の典型的な行動パターンや傾向

【ハードの3S】

・「戦略・組織・システム」で構成される
・戦略→組織→システムと物事が流れるため、順番に検証し問題を改善
・短期的に組織を改善するならばこちらを重視

【ソフトの4S】

・「組織としての能力・人材・経営スタイル・価値観」で構成される
・ハードの3Sに大きな問題がない場合、ソフトの要素をチェック
・短期的には4要素のマネジメント力に関わる人材が起因
 →ハードの3Sを現場に浸透させるマネジメント役の機能不全など

 

活用方法やメリット・注意事項

〇活用にあたって

【本質価値】

・組織内部の状況を評価・監視するための組織分析
・組織の現状と戦略とのギャップを診断し、課題設定→問題改善へ

【活用例】

・企業の業績を向上に向けた戦略~組織的な課題を把握
・組織の運営システム改善に向け、将来のモデルを調査
・合併または買収中に組織的側面から部門とプロセスを調整
・提案された戦略を実現する組織づくりに向け、最善の方法を決定

〇メリットや注意事項

【メリット】

・企業の分析において問題点が明確になりやすい
 ※参考URL:https://jobrouting.jp/214/
・どういった影響が組織全体に出るのかが分かる
 ※参考URL:https://expertprogrammanagement.com/wp-content/uploads/2018/11/McKinsey7S.pdf
・目標に到達するために必要なものが理解しやすい
 ※参考URL:https://expertprogrammanagement.com/wp-content/uploads/2018/11/McKinsey7S.pdf

【注意事項】

・効果的に運用するためには多くの調査が必要となるため、導入する前には複雑なプロセスを経る必要がある
 ※参考URL:https://expertprogrammanagement.com/wp-content/uploads/2018/11/McKinsey7S.pdf
・上級管理職のサポートが必須となるため、普段からコミュニケーションを取っていないと問題提起が難しい
 ※参考URL:https://expertprogrammanagement.com/wp-content/uploads/2018/11/McKinsey7S.pdf
・ハード面の方が手を付けやすいが、ソフト面とバランスよく改善していかなければ成果が見込めない
 ※参考URL:https://jobrouting.jp/214/

 

マッキンゼーの7Sの導入事例紹介

各ケースを見ても、単に組織内のエンゲージメント改善に活用をするのではなく、戦略に対する実行不全の要因把握や、生産性改善に向けた包括的な問題調査に活用していることが見受けられます。またマッキンゼーの7Sでフレーミングしての問題把握は行いやすくなりますが、解決策の提示を支援するものではありません。それらは切り離して使うことをお勧めします。

〇Mipox(株)

【課題・背景】

・顧客管理が一元化されておらず、作業の効率化が必須課題だった。

【工夫・効果】

・導入時の工夫・苦労(あれば):顧客管理を一元化するだけではなく、社員同士がコミュニケーションを取り、共通の問題意識を持てるように社内コミュニケーションツールも導入した。
・情報を一元化することにより作業効率が上がっただけではなく、社員同士が密にコミュニケーションを取れるようになり社員の間に情報共有という意識改革が起きた。

<詳しく知りたい>
https://kigyotv.jp/news/seven-s/#7S

〇E社

【課題・背景】

・特定企業1社からの受注のみで十分な利益をあげてきたため営業のノウハウがなく、そのうちに受注数が減ってしまい3期連続の赤字計上になってしまった

【工夫・効果】

・今まで不足していた営業力を強化するために営業所の新設や市場調査を行い、そこで発生した問題を社内全体で共有できるようにした。
・営業体制の構築により、新商品開発の関する情報が適宜スムーズに社員同士で共有できるようになり、この事で新分野へ参入することができ、売り上げも回復した。

<詳しく知りたい>
https://www.just-c.net/news/2019/03/post-15.html

〇サンゲツ

【課題・背景】

・営業部の問題としてゼネコン、代理店など全方位への営業はもちろん、社内業務もこなさなければならず、また提出する書類が未だすべて紙のものという旧態依然の経営方針にも限界が生じていた。

【工夫・効果】

・Sales Cloudを導入し、情報を一元管理することにより作業の効率化とペーパーレス化を同時に行い、全ての作業の簡略化を図った。
・データを電子化することにより、月間2500時間の作業時間削減に成功。また、今までは帰社しなければ完結できなかった作業をすべてオンラインで完結可能にし、社員同士の情報共有も円滑になり、効率化に成功した。

<詳しく知りたい>
https://www.salesforce.com/jp/customer-success-stories/sangetsu/

その他導入事例

〇コカコーラ

マーケティングツールとして使用すると同時に、組織状態をモニタリングするフレームワークとして使用。ビジネスパフォーマンスを強化するために、リーダーシップの変化を通じた新しいプロセスとシステムを時間をかけて再構築した。

<詳しく知りたい>
https://mid-terms.com/essays/coca-colas-marketing-strategy-in-europe-vs-the-usa/

〇スターバックス

マッキンゼーの7Sをスターバックスに当てはめて検討したレポートです。7Sを実際にどのように当てはめていくのか考える際の参考になります。

<詳しく知りたい>
https://research-methodology.net/starbucks-mckinsey-7s-model-2/

〇アップル

マッキンゼーの7Sをアップルに当てはめて検討したレポートです。7Sを実際にどのように当てはめていくのか考える際の参考になります。

<詳しく知りたい>
https://research-methodology.net/apple-mckinsey-7s-framework/

 

参考となる解説サイト

〇MRC-Blog マッキンゼーの「7s戦略」で企業の競争力を強化する

一つ一つの用語の解説がしっかりしていて、その上で具体的な7sの活用方法が提示されていて分かりやすい。

<詳しく知りたい>
https://blog.markerise.com/business-frameworks/20190507/

〇Bizpark プロ野球の例えで”分かる”マッキンゼーの「7S」分析

題材が親しみのあるもので、分かりやすく面白かったのであげました。

<詳しく知りたい>
https://jinzaii.or.jp/57037

〇ビジネス+IT マッキンゼーの7sとは何か?図で分かりやすくフレームワークを解説

マッキンゼーの7Sがどういったものなのかという初歩的な解説はもちろん、どう運用したら良いのかが分かりやすくまとめています。

<詳しく知りたい>
https://www.sbbit.jp/article/cont1/30243

 

足:マッキンゼーの7Sチェックリスト

使い方は各企業・担当者それぞれと思いますが、各部署長・キーパーソンに質問をして、満足な回答をできなければ、組織の綻びが生まれているかもしれません。

【戦略】

・私たちの戦略は何ですか
・目標をどのように達成するつもりですか
・競争圧力にどのように対処しますか
・顧客の要求の変化はどのように処理されますか
・環境問題に対して戦略はどのように調整されますか

【組織】

・各チームはどのような役割・目標を持っていますか
・部門間の協力・調整はどのように行われていますか
・意思決定と制御は集中型ですか、それとも分散型ですか
・コミュニケーションは明示的および暗黙的ですか
・私たちがやっていることを考えると、これはあるべき姿ですか

【システム】

・組織を運状況を把握するシステムを教えてください、今の状況は
・どのように監視および評価されていますか?そのキーマンは誰ですか
・チームの進捗をモニタリングする内部ルールとプロセスは何ですか

【価値観】

・コアバリューは何ですか
・企業/チーム文化とは何ですか
・それは競合と比べたサービスの独自性のどのように生きていますか
・それを作り出す仕組みはどのように機能していますか

【組織としての能力】

・会社・チーム内で最も強力なスキルは何ですか
・スキルのギャップはありますか
・うまくやっていることで知られている会社・チームは何ですか
・スキルはどのように把握および評価されますか

【人材】

・チームの妄評達成に必要な役割と目標を教えてください
・それはそれぞれ誰に担当を任せていますか
・現在の従業員/チームメンバーは十分な能力を持っていますか
・必要な能力ギャップを埋めるための採用・教育計画はありますか

【経営スタイル】

・管理・リーダーシップのスタイルはどのような特徴がありますか
・そのスタイルはどれほど効果的ですか
・そのスタイルは社員の競争力・協力性にどれほど効果的ですか

 

マッキンゼーの7Sの関連書籍

McKinsey 7S Framework: Boost business performance, prepare for change and implement effective strategies (Management & Marketing)

マッキンゼー 経営の本質 意思と仕組み

マッキンゼー流 最高の社風のつくり方

マッキンゼー 組織の進化 自立する個人と開かれた組織 (The McKinsey anthology)

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執筆監修者

大下

当活動の主体者であり執筆監修者。学生時代にコーチングを勉強し、そのまま就職せずにビジネスマンや経営者を主体とした個人向けのコーチへ。「自己肯定感の回復と自己実現のためのコーチングは違う」をモットーとし、根強いファンを持つ。コーチングの中で、組織運営の責任者・主体者が、マネジメントのノウハウや知見を知らず苦労することに課題を感じ、当活動を発起し推進する。

   

運営チーム

組織活性DNA
   

はじめまして「組織活性DNA」運営チームです。当サイトの運営目的は、組織活性ノウハウの伝承を通じた人の人生活性です。そのために、成長・成功企業の組織活性事例を紹介します。詳しくはコンセプトをご参照ください。